【イベントレポート】宇都宮市が挑戦する公務員の「働き方改革」に迫る!

2024年10月16日(水)に大手町、3×3Lab Futureで第3回週4社員カフェを開催いたしました。今回のテーマは「宇都宮市が取り組む地方公務員の”週4社員”の課題と効果」。一般企業の取り組みにフォーカスをしていた前回までとは視点を変え、初となる自治体の取り組みを扱いました。オンライン参加者の中には他県の自治体関係者も見られました。本レポートでは宇都宮市が進める新たな働き方について、その導入背景やトライアル後に見えた効果と課題を含め、イベントの内容をお伝えします。

■イベント背景

週4社員カフェは、「週4社員ドットコム」を展開する(株)シーオーメディカル、全国700拠点以上のワークプレイスプラットフォーム「TeamPlace」、大手町で交流施設「3×3Lab Future」を運営するエコッツェリア協会との三者共同企画のコミュニティイベントです。『多様な働き方』をテーマに、パラレルなワークスタイルに興味のある個人、法人、地方自治体や学生等

 

■登壇者

宇都宮市 馬場 将広さん

1973年宇都宮市生まれ。大学卒業後、宇都宮市役所に入庁。企画・経営管理部門に20年以上在籍し、本年4月から現職。これまで総合計画をはじめとした重要施策の企画立案、広域行政、行政改革の推進など、企画部門のトップとして市政全般を幅広く担当。現在は東京のスタートアップや企業の新規事業部門とのオープンイノベーションに注力。

宇都宮市 東京オフィス所長の馬場さん。宇都宮市の取り組みについてお話しいただく。

 

宇都宮市が取り組む「多様な働き方」の効果

「スーパースマートシティ」を目標に掲げる宇都宮市では、誰もが豊かで安心して暮らせる街づくりを推進しています。その一環として、市役所の働き改革にも力を入れ、テレワークや通年の軽装化、2023年からは選択的週休3日制やフレックスタイム制の試験導入をスタート。選択的週休3日制度は、1か月の総勤務時間を維持しながら週3日の休暇を取得することができる仕組みで、時間を柔軟に使い、生産能率を上げること、ワークライフバランスを向上させることを狙いとしています。

 

2回の試験導入を経て行ったアンケートでは、実際に制度を利用した職員の約52%が「作業能率が向上した」と回答。さらに66%の職員が「フレックスタイム制の導入によって作業効率が上がった」と回答されました。また、制度の導入により、職員全体の62%が「ワークライフバランスの改善を実感している」とポジティブな回答が得られたことが分かりました。

 

《制度を活用した職員から上がった声(一部)》

  • より時間を意識して効率性高く業務を進められた
  • フレックスタイムの活用により通勤時間も短縮でき、時間を有効的に使えるようになった
  • 以前よりも育児にかける時間を増やすことができた
  • 平日に済ませたい私用にも時間を使えるようになった

 

トライアル導入を経て見えた課題

一方で、出勤時間のばらつきによる円滑な公務への影響や、部門によって発生する働き方の“柔軟性”の不公平感など、制度の本格導入に向けた課題も明確に。馬場さんは、本格導入に向けて「ワークフローの見直し」「執務体制の確保」「職員の勤怠管理の充実」と3つの大きな課題があるとし、一つひとつクリアにできるように取り組んでいくと話されました。

 

また、選択的週休3日制の活用により空いた1日を趣味などのプライベートに使う方もいれば副業に充てたいと考える方も「公務員の副業」の実現にはまだまだ課題が多いことも挙げられました。多様な働き方が広まっているなか、公務員も副業を通じて公務員が多様なスキルや経験を積むことが出来る環境を作っていきたいというビジョンも話されました。

参加者からのお声

宇都宮市役所の取り組みを聞き、参加者たちからは様々な反応がありました。前回のイベントで登壇していただいたカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の小島さんは、「ワークライフバランスと職務能率のアップの両方を叶えている点が素晴らしい」と感想をシェア。週休2日制の稼働と同じ生産性を維持しながら、ワークライフバランスをアップさせるという宇都宮市の仕組みづくりに関心を寄せられていました。

 

《参加者からのシェア(一部)》

  • 時間帯の自由度が上がる中で、特に組織のパフォーマンスを落とさないことが重要だと感じた
  • マネージャーの采配力がより問われると思うので、意識やスキル向上策についても聞いてみたい
  • 実際に制度を利用して週4勤務している個人がどのような働き方をしているのかが気になった

 

今回もたくさんのご感想をシェアいただき、ありがとうございました!

 

■次回以降の開催について

11/20(水)実施の第3回のテーマは「逆参勤交代が開いた新たな生き方の可能性~地方とのシェアリングに向けて〜」。丸の内プラチナ大学 松田講師が提唱するプログラム「逆参勤交代」への参加をきっかけに、東京にベースを置きながら地方でも拠点を持つ”多拠点ワーカー”として活動する方にご登壇いただき、本業×複業のリアルや、関係人口としての地方との関わり方等について体験をお話しいただきます。

次回のイベントレポートも楽しみにお待ちください。

 

▽開催日程

第3回 11月20日(水)12時05分~13時00分 参加申込はこちら

第4回 12月18日(水)12時05分~13時00分 

 

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